でも、佐藤はそんな私の汚くてジメジメした部分に、気付いてくれていた、から。
「凛とした態度取っているくせに、すっごく臆病。石橋を余計なくらい叩いてから渡るタイプ」
「そこまで……してたかな」
「自分も他人も信用出来てないんだよ。でもまぁ、それも去年までの話かなぁ」
ふっと笑みを作り、指先で持っていた缶をまた煽る。
こくこくと上下する喉仏は……今まで気にしたことがなかったけれど、確かに女の人より出っ張っていた。
「いやぁ、たぶんあーしとマリリンに引っ張られてる所とかもあるだろうし、緑もガツガツ本心ぶっ放してくれるおかげもあるんだろうけどさぁ。和香、自分が話す時に考えすぎて黙ることとか無くなって来てんの、自分で気付いてる?」
大胆に酒を煽っていたかと思えば、今度は可愛らしく首を傾げてくる。
佐藤の言うことはなんとなくわかる、確かに考えすぎてだんまりを決め込んで、『面倒くさい』と逃げるのが私だったから。
うまく言葉に出来ないことを、そうやって逃げて逃げて、心を隠していたのが、私だから。
でも、今は?



