わがままシュガー



佐藤が買ってきたチューハイの中に桃サワーがあったので、タブを引いてプシュッと開ける。

佐藤は甘い果実酒を自ら進んで飲むことはない。

なのでこの缶は私の為に買って来てくれたんだろう、今度新発売のシェイクでも奢ろう。

佐藤はレモンサワーをごくごくと勢いよく飲んでいる。



「いただきます」

「どーぞ」



こくり、一口飲むと桃の香りと甘さがアルコールに乗ってふわりと嗅覚を包み込む。

しゅわっと弾ける炭酸を舌で味わってから、私は恐る恐る、尋ねた。



「佐藤に私は、どう見えてたの」



他人に、自分の印象を聞くことなんて、あまりしたことがない。

それは、自分が臆病だから、怖がりだから、本心を知るのが怖いから、なんて思いはするものの、こういう質問で本心なんて話して貰えないとも思っていたから。



矛盾した不安定な心の中は、顔や態度に現れることなく、誰にも気付かれることもなく、ただただ考えないように、先延ばししていくばかりで。

面倒くさい、そう言って考えることを放棄して、それでも不安で勝手に頭の中が色々考えていることは、止められなくて。



自分から人が離れていくんじゃないかってまた怖くなって。