『今日バイトないなら、カラオケ、行こ』
珍しく、私から提案したんだ。
それからテンションの上がった鞠と佐藤に両腕を捕まれ、四人でカラオケに入り、そのまま飲み会と化した。
いつも通りの放課後だべりの会場が、カラオケになっただけだけれど、佐藤はいつもよりお酒を多く飲んでいたな。
「最初に佐藤の違和感に気付いたの、和香だったじゃない」
確かに最初に気付いたのは私だったかもしれないけれど、それほど大したことはできていない。
ただカラオケに誘うだけで、それしか私にはできなかったのだから。
けれど、その後佐藤はいつも通りに戻り……なぜか私の方が、佐藤に振り回されていた。
それがこの話の冒頭部分に繋がるのである。
あれから佐藤の変化は特になく、いつも通りのちゃらんぽらんのままだ。
「で、和香はその佐藤のこと、エロく見える?」
緑のその質問に、また変なところでむせてしまう。
なに言ってんの緑までっ!
「なんで、私までっ」
「だってマリモの言うむわむわの対象なんでしょう?アンタどう感じてんのよ」
「え、いやだってそれは、鞠がそう見えてるだけで……緑ちょっと楽しんでるでしょう?」



