それは、佐藤が男だと告白してきてから半月程経った頃に起きた。



「最近、さとちんがエロい」

「……は?」



鞠と緑と、三人で校内の文房具店に買い物しに向かっている時だった。

怪訝とした表情を向ける緑、そして何もないところでむせそうになる私。

何がどうなってその『エロい』ように、鞠の目から見えるようになったのか、ちょっとよくわからない。



「え、なに、佐藤に欲情してるって意味?」

「なんか違う!雰囲気が変わった?というか、なんか……」

「いや、佐藤は派手だからと言ってそこまで露出してるわけでもないギャルじゃん。なんか変わったと思う?和香」

「えぇ……いや、特には」

「えぇ!!変わったよぉ!なんかのどと話してる時とか特に!!」



変わった、のか……???

鞠曰く、佐藤が私と話している時に特に『エロい』ように見えるらしく。



「……そういえば、和香とのスキンシップが増えたか?」



緑の言葉に、『それだぁ!!』とノリノリに応える鞠。

まぁ、確かにスキンシップは増えたかもしれない、けれど。



「だったら鞠との方が、スキンシップなら多いんじゃない?」



そう言うとまた鞠は頭を悩ませる。