ゆるゆると登っていくゴンドラに揺られながら、私は何も予測できない佐藤の頭の中のことを考えようとしたけれど、やはり何もわからなかった。
女心よりも秋の空よりも難しいかもしれない、佐藤の心。
「さーて、朝のお話の続きといこうじゃないですかぁ」
にっこりと何を企んでいるのかもわからない佐藤の笑みに、「朝……?」と私は記憶を引っ張り出そうとするけれど、何か話していただろうか。
「ほとんど昼だったけどー、自販機の前で。なぁんで和香にだけ『俺のこと』話したと思う?」
「……あぁ、あれか」
思い出したけれど、また佐藤が残念な人を見るかのような瞳を向けて来るので、私は何か変なことを言っただろうか?と再び頭を悩ませる。
「いや、割とそこ重要なんだけど」
「酔っ払いに重要な話されたところでね」
「今はシラフじゃあん!もー和香ってばほんとつれない」
佐藤はそう言ってぶすくれると、向かい合っていた席を立ち、隣に座りにくるから、また何かと私が頭を悩ませることになる。
なぜ来た、ゴンドラが傾くじゃないか。
ジト目で佐藤を見つめていたけれど、真剣な瞳を向けられる。



