奥のブランコや砂場で遊んでいた子供たちが、次々とお母さんに手を繋がれて別れを告げていく時間。

その光景を、佐藤はじっと見つめていて、そんな佐藤を私は見つめていた。



そうか、佐藤の親は、もう……。



「兄妹であーやって遊んでたのが懐かしいな」



ぽつりと呟く佐藤は、思い出の中を辿っているのだろうか。



「俺さ、妹が羨ましかったの」

「え?」

「俺の妹……ちょっと今はガリガリになっちゃっでブサイクに見えるかもしれないけど、バカみたいに可愛くて」



ガリガリ……といっても、確かにあの子のパーツはとても綺麗だったと思う。

妹が羨ましい……って、どういうことだろう。

まさか本当に女の子になりたかったとかなら……私、うん、それでも応援はするけれど。



「変なこと考えてる顔してるけど?和香さぁん」

「……いや、別に。佐藤がそうしたいなら応援する」

「いや、羨ましかったっていうのは、妹の蜜が俺より可愛がられてたからで……女になりたいわけじゃないかんね?」

「!!そ、そうなの?」



いや、確かに前にもそんなこと言ってたような……気はする、けれど。



「違ったんだよ」

「なにが」