「そうね……じゃあ、二人。二人まで許すわ。出来れば媚びてこないけど変に自信家でもない性格まともな奴で」
「なかなか難しいご注文だなぁ」
佐藤は人差し指を下唇に当てて「誰がいいかなぁ」なんて悩んでいる。
ギャルが抜き切っていないぞ、佐藤。
「佐藤そういうの見つけるの得意でしょう?それに自分の友達候補なら佐藤が探さないとだし、私たちは本当は口出す権利もない。もし条件に合わない人連れてきたらグループとは別でつるみな」
「やっぱりみどりんは厳しいけど優しいなぁ」
そう言うと佐藤はスッと立ち上がり、拳を天に掲げて口を開いた。
「よし、じゃあ夏までに男二人たぶらかして来るぞーーー!!」
「おー!!!」
「なんでたぶらかすことになってんの」
「たぶらかすのはいいけど変な人はほんと連れてこないでよね」
私たちの日常は、佐藤が男だろうが女だろうが、そんなことで崩れてしまう程脆くなんてなかった。
その事実だけでまた、私の心はじんわりと温まった。
男版・佐藤氷のお披露目初日も無事に終え、そのままノリと勢いのままカラオケに行った私たち。
相変わらず私は佐藤と鞠に連行されるように引きずられて行った。



