穏やかに寝ているけれど、眠っているだけじゃないということがわかる。
胸がグッと苦しくなって、ほろほろと流れてしまう涙は、私の中のどのの感情を震わせているのかはわからない。
ただこの子が、佐藤の大切にしている蜜ちゃんなんだと認識したとたん、ゾワリと肌が繰り立ち、胸がぐっと苦しくなった。
「無理してるわけ、じゃなくて」
「うん」
「……この子の為に、佐藤は頑張って来てたんだね」
「うん、俺の大事な大事な妹。仲良くしてくれる?」
「当たり前、だから」
事故を起こした時のこの子の傷は、もうずいぶんと前には癒えていたらしい。
車の後部座席に座っていた蜜ちゃんは、強い衝撃を受けたものの、外傷はさほど酷くはなかった。
時が経ち、傷は綺麗に癒えたけれど、目を覚まさないまま。
「蜜に会いに来るとさ、夢の中で両親に会ってんのかなぁとか、現実に戻ってきたくないのかなぁとかさ、いろいろ考えんの。俺が全然蜜の相手もしてなかったから……嫌われたんかな、とか」
「そういうんじゃないよ、きっと。佐藤のせいじゃない」
「うん……そうだけど。時が経つたび、どんどん怖くなっていく」
想像しただけでも、怖い。



