てん、てん、てん。

きっちり3秒間の沈黙を経て、再び睨まれる。


「え? あれ、知らなかった……? わたし言ってなかったっけ、うう、ええと」

「言ってない」


「そ、そうか。……ごめんね」

「………いや、今までの会話からもしかしてと推測はしてた。でもいざ言われると腹立たしくてほんと無理」


せっかく機嫌を直してくれたと思ったのに。

やっぱり開吏くんは一筋縄ではいかなさそう。
機嫌の移り変わりがジェットコースター並でついていけない。


こんな険悪なムードで見張られるくらいなら、短すぎるスカートで授業に出るほうがまだマシかも……。


悩みながら視線を泳がせたときだった。

ノックもなしに突然、部屋の扉が開き。



「あーあ開吏クンってば。QUEENをひとり占めしたらいけないんだぞ〜って」


近づいてきたその人からは、昨日飲まされたクスリと同じ、危険な甘い香りがした。