「千広くんて、ほんとにすごいよね!」
試しに拍手を交えてみれば、相手の顔がわかりやすく綻んだ。
軽率にかわいい……と思ってしまったのは仕方ないと思う。
「天性の才能ですよね、あれで17歳とは思えないです! 千広さんは中学の時から既に完成されてたって噂で聞いて、あの人の中学時代を知る人がほんとに羨ましい……」
「あ〜たしかに中学の頃も、千広くんの隣の席になりたがる子が絶えないほどモテてたよ」
「やっぱり!そうだと思っ……いや──ん?」
はしゃいでいたかと思えば、開吏くんは急に口をつぐんで。
「なんでモブ子先輩が知ってるんですか」
「え……?ふつうに、同じクラスだった、から」