BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-


気配なかった。いつの間に。

振り向くと、スモークの扉越しに千広くんの影が動く。



「んな、なんでいるの〜……」

「いたら悪いか」


「悪いよ、ここお風呂場だしわたしなんにも着てな………、うっ」

「見えてねえよ、シルエットしかわかんねえ」


「な! それ見えてるじゃんっ。目閉じてあっち行って〜お願い!」

「なんだようるせえな。昨日はあんなに可愛……、」


「………?」


扉を隔てているせいで聞こえにくい。


「なにって?」

「……のぼせる前にはやく上がれって言ったんだよ」