開吏くんが隣で何か言っているのは分かりながらも、頭の中は千広くんでいっぱい。
中学からの付き合いで、千広くんのことを割と理解しているつもりでいたけれど、誕生日とか血液型とか……思えば知らないことばかり。
あの頃は、周りの女の子たちより千広くんと接する機会が多かったから自惚れていたのかもしれない。
……今思えば、初めから遠い存在だったのに。
ちくりと胸が痛んだのには気づかないふりをした。
「モブ子先輩、無防備すぎない? ていうか意識ある?」
我を取り戻すと、どうしてか、開吏くんがわたしに覆い被さっている状態だった。
えっ、あれ。
押し倒されている………?
いつの間に!
「ひえ、なんでなんでなんで」
「先輩がいいって言ったんですよ?」
「い、言ってないよお」
「まーいいじゃないですか。モブ子先輩でも、遊び相手くらいにはなるでしょ」



