BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-


「へあ?」


気の抜けた声がでた。

相当キレてるとき?


ものすごい勢いで過去の映像が脳内再生される。


中学のあんな時もそんな時もこんな時も……千広くんが笑っていた記憶はたくさんあるけれど。

例えば中2の冬。


『うわ、またあやると隣の席って。俺のくじ運どうなってんだよ、しかも1番前とか。明日から学校来んのやめよーかな』


『うう、ハズレくじで申し訳ない……。あ、そうだ。千広くんの隣になりたい子いっぱいいるから、頼んだら代わってもらえるかも……』



周りの女の子に声をかけようと立ち上がったわたしを、千広くんが引き止めて。



『いーよ別に。面倒くせえことすんな』

『え、でも』

『いいんだって。隣だったらお前のこといつでもいじめられるし、そう思えば悪くねぇよ』


そう言った千広くんは、言葉とは裏腹に優しい笑顔だった……。