松葉 千広くん。
中学生のとき、隣の席だったことが2回ある。
ほんの2ヶ月隣の席だっただけなのに、千広くんとの記憶は、どうしてか今も鮮やかに残っていて。
それがいい思い出かと聞かれれば、ちょっと違う。
直接的ではないけれど、嫌な記憶もいっしょに呼び起こしてしまうから、なるべく思い出さないようにしていた。
──『ずっと、あやるとこのままだったらいーのにな』
あの甘い響きが、いまも呪いのように残り続けている。
わたしがQUEENになりたくないのは
──千広くんがいるからだ。
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