ふいっとそっぽ向かれ、怒らせたのかもと一瞬焦る。
「千広さんには返しきれないくらいの恩があるので、一生かけて仕えるつもりでいるってだけのハナシですよ」
「返しきれないくらいの恩……って?」
「モブ子先輩なんかに教えるわけないでしょ。でもオレが今生きてられるのは千広さんのお陰です。オレなんてなんの取り柄もないのに、ましてや、普通は1年が幹部になることなんか絶対あり得ないのに、この席に就くことができてるのは千広さんの後ろ盾があったからで……」
開吏くんの表情に、ふと影が落ちた。
唇を固く結んで、なにかを思い出しているよう。
今生きていられるのは、千広くんのお陰……。
開吏くんの過去には、いったい何があったんだろう。



