授業の内容はほとんど記憶にないまま、気づけば放課後になっていた。
黒帝のホームルームは、よほど重要な連絡事項がない限り担任の先生が現れることはない。
その、よほど重要な事項の中に、クラスメイトの転校の連絡は含まれていない。
入れ替わりが激しいこの街では、日常茶飯事だから、
クラスメイトがいなくなろうが増えようが、みんなどうでもいいのだ。
教室からはあっという間に人が捌け、わたしはひとりになる。
ハートにまみれた冽くんのメッセージを見て、なんとなく筆箱からネームペンを取り出した。
せめて今日まではQUEENとして幹部室に顔を出すつもりだけど、
赤帝に転校するなんて口が裂けても自分からは言えないから。
冽くんからのメッセージの横に、同じようにペンを走らせる。



