──そして。
久しぶりに帰った家の前には、よく知った人物が立っていた。
「よお、あやる。元気してたかぁ? 悪かったな〜、戻ってくんの遅くなって」
わたしはこの人の帰りをずっと待っていたはずだった。
なのに、少しも喜べないのは、どこかで嫌な予感がしていたから。
「お父さん、どうしていきなり……。あの女の人は……?」
「ああー、別れたよ。これでまたあやると一緒に暮らせるな」
「……」
「それでな、父さんまた白石さんと一緒に仕事することになったんだわ」
「──、え? 今……なんて?」
聞こえなかったわけじゃない。
どうしても受け止められず、頭が拒否反応を起こしていた。
「だから白石さんだよ。お前もさんざん世話になっただろ? 大河くんも一緒に戻ってきてるみたいだから、また前みたいに仲良くやれよ」
お父さんは以前黒帝にいたときも、大河くんのお父さんに誘われて新しい仕事を始めていた。
なにやらかなり儲かる仕事だったようだけど、穏やかだったお父さんが少しずつ暴力的になり始めたのは、大河くんのお父さんの下についたからだった。



