BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-


「でも……いいの?」

「んーそうだな。じゃあ久々の再会ってことで、手土産にひとつイイコトを教えてあげる」


影が落ちて、目線が同じ高さになった。


「あんたの元彼──」


どくり、と心臓が嫌な音をたてる。


「白石大河くんね、昨日、赤帝に転入してきたよ」

「っ、……」


「そんで、黒帝本部の情報と引き換えに、RED(ウチ)の幹部に入れてほしいって交換条件を提示してきた。もし総長が承諾したら、白石くんの思惑通りに事が進んで、最悪、千広くんは死んじゃうかも」


さあ……っと冷たく血が引いた。

赤帝と手を組むなんて、大河くんが一番よくやりそうな手口なのに、どうして今まで思いつかなかったんだろう。


「白石くんが盗ってきたってのは、裏回線を使って保存されてた、松葉家の有望な息子の命と余裕で釣り合いがとれる大事な機密情報だ。つまり、そのデータひとつで黒帝会の上層部を簡単に強請(ゆす)ることができる。
ウチの総長も馬鹿じゃない。白石くんが“盗ってきた”って言うデータが本物かどうかはきちんと見極めがつくはずだ」

「……──」


言葉を失う。

ゆうべ、夜会の会場に現れたのはそういうことだったんだ。