刹那、その表情に憂いが落ちた。
人を傷つけてしまったような痛みが、ずき、と胸を刺す。
こんな顔をする人が、本当にBLACKを裏切ったのかな……。
「絢人くんはどうして赤帝側についたの? 千広くんと友達だったんじゃないの……?」
「……さあ。なんでだろ……」
そう言って絢人くんは空を仰いだ。
「友達でいたかったから、かな」
「………、」
意味はよくわからなかったけれど、はぐらかされたようには思えず。
彼なりに導き出した本心なんだろうなと、なんとなく頭の中で反芻する。
「そっか。……それで、わたしは何をすれば」
「おおっとそうだった! 脅して言いなりにさせるつもりが忘れてた」
わざとらしく反応した絢人くんは、そのまま腕をするりと解いてみせる。
「……え?」
「数少ない旧友に手荒なマネするほど、おれは性根腐っちゃいないんでね」



