BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-

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「──で、どうして付いてきちゃうんですか、冽くん」


教室に続く廊下で、わたしは後ろをチラチラ振り返りながら焦っていた。

幹部室を出てから当然のように付いてきている冽くん。



「僕は授業に出たらだめなの? 学校に通ってる以上、教育を受ける権利があると思うんだけど」

「そうじゃなくてっ。冽くんとわたしはクラスが別なんだから、授業受けたいなら自分のクラスに行ってよ〜って話だよぉ……」



それに……とても目立っている。
目立ちすぎている。

さっきから生徒たちの視線を痛いほどに感じている。


休み時間で人がごった返している廊下も、わたしたちが通るところには自然と道ができた。

壁に寄ってこちらを凝視するみんなの口から「今屋敷サンだ」「冽様だ」と溜息のようにその名前が呟かれる。



そんな中に紛れて……。



「ほらーあの子だよ、例の今月のQUEEN」

「へー! やっぱ噂ってマジだったんだ」

「大人しそーなカオしてつえ〜」