「ちょっと制服に着替えてきます……」
一応断ってからベッドを下りた。
壁に掛けていた制服をとって脱衣所に移動する。
わたしが着替えているうちに部屋から出ていってくれないかなあ……なんて期待は、あっけなく裏切られた。
「るーちゃん遅いよ~」
「っ⁉」
制服に着替えて、軽く顔を洗って、癖になっていた髪をちょんちょんと気休め程度に水で押さえつけていたら、突然扉が開いたのである。
相変わらず、常識というものは存在しない……。
「あれ、るーちゃんリボンは?」
「へ」
「ブラックダイヤの留め具がついた、リボン」
「……あ」
千広くんに、絶対に外さないよう言われたモノ。
顔を洗ったあとに付けようと思って、忘れていた。
慌てて襟に通す。
きらん、と暗く光るダイヤは溜息が出るほど綺麗で……わたしには不相応な代物だなあと、つくづく思う。
「ふふ、それ首輪みたいだよね~」
「冽くんまたヘンなこと言って……」
「ヘンではないよ~。てゆか千広クンはそーいうつもりで付けさせてるんだと思うけどね」
またテキトウなことばっかり。
QUEENに選ばれた人は、全員コレを身に付けなきゃいけないって決まりくらい、わたしだって知ってる。



