まるで夢心地のふわふわした頭とは対照的に、鼓動は耳元ではっきり聞こえる。
現実だ……。
どうしてか、本当にどうしてかわからないけど、千広くんにキスされた……。
動揺のあまり目が回った。
唇と唇が触れ合ったことを改めて実感したときには、千広くんはとっくにわたしから離れていて。
「もう寝ろ。明日も授業出るんだろ」
「………、………う、ん」
次の瞬間、ピ、と音がして部屋が真っ暗になった。
ベッドの向かい側で千広くんが横になる気配がしたので、わたしもとりあえず目をつぶってみる。
当然穏やかに休めるはずもなく、頭は疑問符で埋め尽くされる。
考えに考えた結果、わたしがあまりにうるさく面倒だったので物理的に黙らせたのかもしれないと思って。
というか、もう、それ以外ありえないと思った。
……それにしても、だよ。
「このタイミングでキスするの、ずるいよ……」



