まるでベッドに縫い付けられているみたいに、体はびくとも動かない。
自分の鼓動が大ボリュームで響いて。
そして、別に求めてないタイミングで目が暗闇に慣れてくる。
わたしを見下ろす千広くんは、どうやら怒っているみたいだった。
「なにが“大丈夫”だ。ぬるい頭してんじゃねえよ」
「……、っ、」
「昔からの知り合いだから襲われるわけない……とか、お前本気で思ってんの」
そういう風に捉えられてしまった……んだ。
ショックですぐには言葉が出てこなかった。
「疲れてるからそーいう気力もねえと思ったか?」
「っ、違う、」
「例え怪我してようが病気してようが腕一本あれば、俺はお前をどうにでもできんだよ」
怒りをはらんだ声で、嫌ってくらいわからせてくる。
でも、そんなの言われなくてもとっくにわかってる。
千広くんはわたしをどうにでもできる。
腕なんか使わなくたってどうにでもできる。
言葉ひとつで、視線ひとつで、いつもわたしの心をぐちゃぐちゃにするから。



