千広くん、本当は部屋にわたしがいるの嫌なんじゃないかな。
侵入者の件もあって気まずいだろうし……。
──『うちのQUEENが黒帝を貶めようとしてる奴の彼女とか。つーか”元”でもふつーにアウト』
開吏くんの言葉が頭をよぎる。
勢いに任せてつい口走ってしまった、という感じではあったけど、言ってることは全然間違ってない。
「千広くんは、わたしがそばにいて嫌な気持ちにならない?」
「……なんだいきなり」
振り向いた瞳には、相変わらずなんの色も浮かんでいなかった。
「過去のことだけど、わたしは大河くんと繋がりがあったわけだし」
「どうでもいい。今さらなんとも思わねえよ。言っただろ、お前がQUEENの間は好きにさせてもらうって」
「……そっか」
なんとも思わない。
それが本心なら、よかった。
よかったはずなのに、その返答にうまく喜べない自分がいる。なんの感情も向けられないことが、嫌われるよりもつらく思えてしまった。



