絹くんにまとめられた全員の中に、たった今わたしも入った、らしい。
「開吏は親に捨てられた。っていうか、事故に見せかけて殺されかけた。その親は金の力で罪を揉み消して今ものうのうと生きてる」
「っ、え……」
「冽君は祖父とふたり暮らしだった。その祖父は数年前、違法薬物所持の罪をなすり付けられて、そのまま獄死。薬草好きの変人だと近所から疎まれてた奴の孫を、誰も引き取りはしなかった」
「……――」
言葉が出なかった。
心が鉛を呑んだかのように重く、呼吸すらままならないような。
「そんな環境で生きてきて人を信じられるわけないだろ。大事にしたいって心では思っても行動は伴わない。裏切られる前に自分から手を切って、裏切られなくてよかった、って安心する」
「……絹くん、」
すると突然、我に返ったようにこちらを見て。
「……――だから〜さっき安斉サンの”大事にしたい”って言葉? そういうあったけ~心のうちを誰かの口から聞いたの初めて。何年もこの街にいて恥ずかしげもなく口にできるの、まーじで強いなあんた」



