「うわ、どっから湧いてきた?」

「虫けらみたいな扱いやめて。奥の部屋で薬つくってたらなんか盛り上がってる感じだったから気になって来ちゃった~」


「来ちゃった~、じゃねーよ。あの薬草くっせえ部屋にとっとと帰れ」

「話は聞かせてもらったぞ~。まさか、るーちゃんに元彼がいたなんて妬けすぎてそいつ殺しちゃいたい」




抱きつかれそうになったのを、とっさに避ける。



「やっぱつれないねー。だがそーゆーとこもよい」

「はあ、どうも」

「出た~。るーちゃんのどうも!」



何がおもしろいのか。くすくす笑われてぽかんとする。



「冽君、今のおれたちにそのテンションはきついて。てかほんとに話聞いてたあ? 笑顔で空気ぶち壊してくれちゃって」

「ところで肝心の千広クンはどこ? さみしい! 夜会一緒に行ったんでしょ?」



やれやれというように絹君がため息を落とした。



「悪い安斉さん。冽君は薬つくってるとき、いつも以上にテンションがバカになんのよ。見ての通りまともに会話もできない」

「ええっ」


それって大丈夫なのかな。いろんな意味で……。