今、間違いなく余計なことを言った。
だけど……間違いなくわたしの本心だった。
自暴自棄になるほどの孤独をわたしも知っている。
居場所を失うのは怖い、大事な人から必要とされないのは怖い。
だからと言って、知ったような口をきいていいわけじゃない。
「い、いきなり掴んでごめんなさい……」
震える指先をおそるおそる離そうとしたとき、
「……ううん」
だらりと下がっていた手に、少しだけ力がこもり。
「ありがとう、……あやる先輩」
そう微かな響きを残して、体温が離れていった。
「絹さんも、怒ってくれてありがと……ごめんなさい」
開吏くんの背中が扉の奥に消えると、入れ替わるようにして後ろから声が飛んできた。
「あは、相変わらずジェットコースターみたいな情緒してるね~開吏クン」
振り向いた先に立っていたのは、さっきまでいなかったはずの冽くん。



