「わかってるよ。オレは所詮、黒土絢人の穴埋めでしかないし? こんなこと言える立場じゃないし、なんならオレのほうがBLACKのお荷物だよね」
「……そういう話じゃねえだろ」
「いいよね絹さんは、強くて羨ましい。例えBLACKがなくなってもすぐ新しい居場所を自分でつくっていけそうだし。でもオレには此処しかない……。絶対に壊されたくない、千広さんが与えてくれた大事な場所だもん邪魔する奴は全員しね、でも壊されたって平気なくらい強くなんなきゃこの世界じゃ生きてけないし、オレは」
「開吏。冷静になれねえなら一旦部屋を出ろ」
一度はいたたまれなくなって目をそらしてしまったけれど、気づいたら、力なくうなだれる開吏くんの手をとっていた。
「ごめんね開吏くん、不安な思いをさせて」
「……離してください」
「ごめん、でも千広くんの大事なものは、わたしも大事にしたいって思ってる。本当だよ、一緒にするなって思うだろうけど、わたしも千広くんのことが大事だから。……それだけは、知っててほしい、です」
口にしたあと自分で驚く。
いつもは頭の中に文字を並べてから慎重にそれを口にするのに、こんなにすらすらと……。
我に返ったとたん、どっと汗が噴き出してくる。



