開吏くんがしぶしぶ口をつぐんだのを確認して、絹くんが視線で先を促してくる。
「もうご存じの通り、わたしと千広くんは中学の頃同じクラスだったことがあるので、その繋がりで、千広くんも彼のことを知っていたんだと思います」
「………」
「………」
「正直、千広くんが何を思って彼を逃がしたのかは、わたしにもわからなくて……。ひょっとしたら、わたしが傷つくと思って情けをかけてくれたのかもしれないし……。あの場にわたしがいたからこんな事態になったのかもしれないです、すみません」
語尾が消え入りそうになりながらもなんとか言い切った。
開吏くんがそわそわと絹くんを見つめる。
どうやら喋る許可が出るのを待っているらしい。
隣からのアピールを無視して、絹くんはゆっくりと口を開いた。
「なるほどな。千広君の判断は疑問だったけど、べつにただで逃がしたわけじゃないと思うぜ。あいつに襟元ひっ掴まれてたとき、千広君が盗聴器しれっと仕込んでるの見えたし。GPS付きのやつ」
「っえ」
そうだったんだ。
全然気づかなかった……。



