「絹。余計な詮索するな」
「えー、おれは幹部の一員として尋ねてんのよ。敵に情けをかけるのは仲間への裏切りだ。千広君が一番よくわかってるだろ」
敵。裏切り。
その言葉が重たくのしかかる。
万が一これが原因で周囲の千広くんへの信用が損なわれてしまったら……。
「ごめんなさい、わたしがいたから千広くんも、その……」
「お前、あの男とずっと繋がってたのか」
「、え?」
「中学卒業してから今まで、連絡を取り合ったりしてたのかって聞いてる」
今、ここでその質問……?
と、一瞬でも疑問に思ったのが恥ずかしい。
今までずっと大河くんと繋がっていた、イコール、わたしも黒帝の敵側の人間、ということになる得るんだから、その可能性を疑うのは当然だ。
「連絡は一切とってなかったよ、っ。今日、さっき二年ぶりに連絡がきて……。でもまさか大河くんが会場に来るなんて思ってなくて、全然知らなくて……。信じてもらえないかもしれない、けど」
「………」
「ご、ごめんなさい……。必要なら連絡履歴も全部見ていいよ」
焦りながらスマホを取り出そうとすれば、冷たい手に阻止される。
「もういい、わかった。……帰るぞ」



