「千広! 侵入者見つかったか⁉」
廊下の奥から慌ただしい足音が聞こえてきたかと思えば、瞬く間に数人の男性たちに囲まれる。
夜会に出席していた人たち。その中でも比較的若い面々だった。
黒帝会の人間──おそらくBLACK KINGDOMのOBとか、そのあたりだと思う。
侵入者……って、まさか。
「――いや。逃げられた」
「ばっか、殺してでも連れて来いって言われただろうが!」
もしかしなくても大河くんのことだ。
大河くんが侵入者。
千広くんは、大河くんのことを殺してでも連れて来るよう命令されていた?
だけどさっきの千広くんの行動からして、“逃げられた”んじゃなくて……。
「どーすんだよ!ミスったらどんな仕打ちが待ってるか分かんねえ。……おい聞いてんのか千広!」
「くだんねえことでいちいち頭に血のぼらせてんじゃねえよ」
相手がびくりと肩を震わせた。
「折檻が怖いならその辺歩いてる人間テキトウに捕まえて持っていくなりしろ。小細工は得意だろ」
場が水を打ったように静まり返る。



