愕然とする。
そんなこと言ってない。
すぐさま誤解を解こうとしたけれど、千広くんの視線が興味なさげに離れていくのを見て、出かかった言葉は喉の奥に沈んでいく。
「心配しなくてもお前の“元カノ”には手出さねえよ」
静かすぎる声に、こちらも一瞬で冷静になった。
千広くんにとってのわたしは元クラスメイトでも友達でもなく、白石大河くんの元カノ。
ほんと……何度思い知らされればいいんだろう。
「ただし今はウチのQUEENだ。その間は好きにさせてもらう」
次の瞬間、大河くんが千広くんの胸倉を乱暴に掴んだ。
「松葉……お前昔からほんっと最低だね。さすがあの忌々しい家の息子なだけある」
「大河くんやめてっ」
わたしの制する声は届かない。
千広くんは瞬きひとつせず、冷たい目で相手を見据えていた。



