血液がさっと引いて、全身が強張った。
──千広くん。
さっき人に呼ばれて先に会場に行ったはずじゃ……。
「絹はどうした」
あくまでわたしだけを見て、少し先の廊下からわたしに問いかける。
大河くんは腕の力を緩めてくれない。
……声が出せなかった。
「……なんで泣いてんの」
「っ、ち、」
答えようとすれば、大河くんは脅すように手首を強く掴んでくる。
そして──。
「この子が泣いてるの、お前のせいだよ松葉」
千広くんの視線が、ゆっくりとわたしの隣にスライドした。
「黒帝のQUEENなんかやりたくない。早くここから逃げたいって、オレに泣きついてきたんだからさ」



