BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-


それは、会議も終盤に入ったと思われるタイミングで放たれた。


「JOKERだった黒土絢人くんが、赤帝側に寝返ったそうじゃないか。抗争の引き金になるという懸念はもちろんだが……優秀だった彼が抜けて黒帝の機関に支障が出ないか、それが心配でね」



ちらりと盗み見ても、千広くんの表情には動揺一つ浮かんでいない。



「たしかに惜しい人材を失いました。ですが、後任には彼以上に内偵に優れた者を選んでおりますのでご安心いただけたらと」

「……そうか。もうJOKERの席は埋まっているんだね。よかったよかった。……それでは会議はお開きにしよう。宴会は、この後20時から7階のホールで行う」