BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-


しきたり……。


思えば、良くも悪くも一般社会とズレている帝区は、そういう伝統みたいなものを守る意識が他所よりも強い気がする。


校舎を見渡してもそう。


正門、裏門、時計台、教室の扉。
厳ついデザインの校章があらゆる箇所に彫られていて、部外者はきっと怯んでしまうほど。

廊下には、歴代の学長の肖像が大きく立派な額縁に収まった状態で飾られているし、
中央棟で昂然とはためく校旗を見れば、誰もがきっと、此処が『黒帝』の象徴だと理解する。


同じ帝区の対角線上に建つ赤帝高校も、同じような造りだったはず。


赤帝を仕切っているRED KINGDOM──。


今は敵対しているけれど、たしか、かつては赤帝と黒帝で“ KINGDOM ” という、ひとつの組織だった

……って、中学の頃、千広くんに教えてもらった。


「ねえ、千広くん」

「なんだ」

「……今日の夜会って、赤帝高校の人も来るの?」