BLACK KINGDOM -夜明けまで、熱く愛して-

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高級な送迎車に放り込まれればもう、流れに身を任せるしか道はなく。


「あっはっは、安斉サンがちがちだったな。千広君と歩いてくるとき、小学生の入学式入場シーンにしか見えなかったわ」


絹くんが小馬鹿にしてくれて、今は本当によかったと思う。
千広君とふたりだったら今頃……。


「ウソウソ、顔真っ赤にして、新郎新婦みたいで可愛かったぜ」

「っ、な!」


ぼっ!と音が出てもおかしくないくらい、燃えるように顔が熱くなって、みるみる紅潮していくのがわかる。

もはや泣きそうになっているわたしをよそに、隣では「絹」と、冷静な声がたしなめた。



「──それはそーと。千広君がQUEENをこんなに優遇する日が来るなんて思ってもみなかったな」


絹くんの声色が変わった。
ひんやりとした、冷たさ。



「ましてや安斉サン、まるで“初めて”で、未だにおれたちの相手をまともにできてない。QUEENとしての価値で見れば過去最低だろ?」

「ごっ、ごめんなさいほんとに! 無価値なのは自覚してます、でも無価値なりに、ちゃんとお相手もできるように努力を、」