ホンモノ、だけど。
たしかに「放課後迎えに行く」とか言ってたけど。
「千広くん、なんで……」
「迎え行くって言ったろ、早く来い」
本当に来るとは思ってなかった。
いや、来るにしても、放課後に人がいなくなったあと。代わりの誰かを使って、とか。
そんな感じだと思ってた。
て、いうか。
そもそも!
今はまだ、放課後どころか6限目すら始まってないんだけど……!
「松葉さんだ……やべえ。オレこんな間近で見たの初」
「嘘だろこれ。教室どころか、組織の会合とかにも滅多に顔見せねえってハナシだぞ?」
「つーか今、安斉さんの名前呼んだよな? 松葉さんがQUEENを直々に迎えにくるとか前代未聞だろ……どうなってんだ」
みんながみんな千広くんに釘付け。
吐息だけで会話しながらも興奮が抑えきれてない。
いくら千広くんが「来い」と言ったって、今度ばかりはわたしの体も緊張で動かなかった。
数秒後。
痺れを切らした千広くんが、とうとう自らわたしの元へ歩み寄ってきて。
「きゃ‥…」と、女の子たちから悲鳴に似た声があがる。



