『おー千広。悪いな忙しいときに』
止めたはずのスマホから音声が聞こえて。
「へ? ……わたし……あれっ!?」
思わず声を上げてしまったあとで、自分のミスに気づく。
“拒否”を押したつもりが、間違えて“応答”に触れてしまっていた………みたい。
『うん? きみ女の子……?』
ど……うしよう!
ばくばくばく、鼓動が慌ただしく加速していく。
「ぅ、あ、すみませ……えっと千広くんに代わり──」
『んあー、千広近くにいんなら伝言頼むわ。“週明けの夜会には絶対に顔出せよ”っつっといて』
「や、やかい?」
『毎度毎度へーきで欠席しやがって。上の連中はそ~と〜ご立腹だぜ?』
なんの話かまったくわからず、千広くんに必死に目線を送って助けを求めるものの、しらーっと無視された。
『黒帝のKINGとQUEENがいつまで経っても空席じゃ格好つかねぇだろ。なあ?』



