「……あ、そ」
声は冷たく突き放すくせに、どうしてか腰に回った手がわたしを抱き寄せた。
「……っ、なに?」
「………」
返事はない。
うつむいて表情を見せてくれなかった。
わたしを抱き寄せた手にはあんまり力もこもっていなくて。
抱きしめるというより、わたしにだらりと身を預けているような。
あんな動画の画像を見られて、からかわれるか、意地悪なことを言われるかのどちらかだと思ったのに、今度はどういうこと……?
しばらく経って、そういえば千広くんは具合が悪かったんだと、思い出す。
ただでさえ言動ひとつひとつに過剰に反応してしまうわたしの心臓は
「千広くん………まだ、きつい?」
「………ん、さっきよりだいぶきつい、」
素直な返事を受けて、いちだんと狂ってしまった。



