沈黙が訪れた。
冽くんの顔が、若干ひきつって見えるのは気のせいか。
「僕がさっき解熱剤って言って渡したやつ、アレ解熱剤じゃない……。昨日るーちゃんが飲んだ薬だ」
「な!ええっ!?」
叫んだのは千広くんではなくわたし。
だってわたしが昨日飲まされたのは、俗に言う「惚れ薬」みたいな……。
そんなファンタジーチックなものが本当に存在するのか、そこは疑問だけど、間違いなく体に強い作用を与える薬だった。
体が火照って、疼いて、目の前の相手に触れてほしくて仕方がなくなる。
どうやっても抗えない……あの薬を。
千広くんが?
「るーちゃんから聞いて、左のポケットに慌てて解熱剤剤突っ込んできたんだよね。でも千広くんには、うっかり右に入ってた薬を出しちゃって」
「それが、昨日わたしが飲ませられた薬と同じ……ってこと?」
そんな。
薬を飲んだあとは、千広くんが触れくれるまで気がおかしくなるくらい苦しかった。
ただでさえ強い薬なのに、熱がある千広くんが飲んでしまったら……。



