「……大げさだな」
小さく呟いて、体を起こした千広くん。
紙袋から中身を取り出してため息をつく。
どうやら飲んでくれるらしい。
「3錠もいらねえ……」
「それぞれ違う効果のやつだから全部飲んで。解熱剤と鎮痛剤。あと、その薬で粘膜が荒れるのを防ぐための薬」
冽くんがペットボトルを押し付ける。
千広くんは黙って受け取った。
こうして見ていると“普通の友だち”に見える。
BLACK KINGDOMとか幹部とか、よく分からない組織内の繋がりじゃなく、ただの仲がいい高校生同士に。
中学生の頃は、幼なじみの黒土絢人くん以外の人と一定の距離を保っているように見えていた千広くん。
それは今も変わらないと思っていたけれど……。
「うわ、待って。僕やらかしたかも」
突然、冽くんが声を上げた。
「千広君、いま薬飲んだよね」
「ああ」
「ぜんぶ飲んじゃった?」
「……ああ。お前が全部飲めって言ったんだろ」



