……なにそれ。
どういう意図なの、からかってるの、冗談なの?
甚だしい自惚れなのは承知で、それでも「そばにいろ」と言われている気がした。
千広くんはわたしを、性的なことにいっぱい興味があって挙げ句の果て誰でもいいとか言っちゃう、男好きの尻軽だって思ったかもしれないけど。
でも、勘違いされていてもいいんだもん。
千広くんが嫌々じゃなくそばに置いてくれるならもうどう思われていても、とりあえずはいいやって思ってしまう。
わたしはおかしいんだと思う。
千広くんを好きな気持ちがわたしをおかしくさせる。
「他の男のところには行くな」
「……」
「あやる、返事しろ……」
千広くんは相変わらずわたしの肩にもたれかかったままで、表情は見えなかった。
現実味がなさすぎて、ほのかなムスクの香りに実は麻薬でも仕込まれているんじゃないかと。
夢か幻覚か。どちらかなんじゃないかと。
だけど、手探りでわたしの指先を探し当てた千広くんが、そのままぎゅう……っと握りしめてくるから。
伝わる熱が、これは現実だと教えてくれる。



