──『お前みたいな女、心の底から軽蔑する』
別れた相手の言葉が蘇る。
指先が一瞬で冷たくなっていく。
もうどうでもいい、なんとも思わない。
きっと大丈夫だ、と。
昨日千広くんと再会したとき最初はそう思った。
だけど、やっぱり、ふたりでいると抑えられなくなる。
趣味を見つけて没頭するふりをした。
苦手な合コンにも参加してみたり、少しかっこいいなと思う人のことを好きだと思いこんでみたり。
でも……わたしが長い時間をかけてようやく手放した気持ちを、千広くんは一瞬でに元に戻してしまう。
会いたくなかった。
わたしがどれだけ苦しかったか。どんな思いで千広くんを忘れようとしたか
この人は知らないのだ。
──『最低だな』
わたしが元彼と別れたのは
千広くんのことを、好きになってしまったから……だということも。



