指名の拒否は厳禁とはいえ、BLACKだって、大して可愛いくない女がQUEENになるなんて望んでいないはず。

来ない女をわざわざ見つけに来るほど彼らは暇じゃないだろうし、きっとすぐに他の子を指名する。

もし見つかったとしても、わたしが辞退すると言えば、喜んで受け入れるよね。



本当は自分の足で旧生徒会室まで行って断るべきなんだけど、

どうしても──千広くんに会いたくなかった。



入れ替わりの激しいこの街。

同じ中学だった子たちはもう、ほとんどこの地にはいない。


中学の頃の、千広くんとわたし。

知っている人は、どれくらいいるんだろう……。