3人の視線をいっきに受けながら、拳をぎゅっと握る。
「だからその、相手は千広くんが、」
「大丈夫、聞こえてた聞こえてた」
絹くんがにやりと返事をする。
「結論から言うと無理だな」
「で、すよね」
「今までも近づこうとする女はいたけど、うちの千広君は見向きもしないどころか……───」
絹くんの話を遮るように、部屋の扉が開いた。
現れたのは他でも無い千広くん。
電話終わったんだ。
どっ、どうしよう! よりにもよってこんなタイミング……!!
視界がぐるぐるしてくる。
「お前らなんの話してんの」
「えっとね〜!るーちゃんが初めての相手は千広くんがいいって言うから〜」
「冽くん!!」
何やら楽しげな冽くんを慌てて止めるも間に合わない。
ああもうだめだ。身の程知らずのバカだって罵られて終わりだ。
ちょっと考えればわかることだったのに。
───自分の気持ちなんて、大事にしても、やっはり意味ないよ。



