「ちょ、あやるちんどこ行くの! 旧生徒会は逆、逆!」


引き止めたヒナタちゃんを振り返る。


「えーっと……ちょっと、身を隠すというか。ほとぼり?が冷めるまで登校しないようにしよーと思って〜。よろしくヒナタちゃん」


にこ、と笑ってみせて、全力ダッシュ。


「はあ⁉ あやる何考えてんの、指名の拒否は厳禁だよ! さいあく、退学もありえるよ⁉」

「うーん、なんとかなると思う〜!」


後ろに向かって最後にそう返事をしてから、旧生徒会室とは反対側へ足を運ぶ。


家に戻るのも途中で見つかる危険があるし、下手に動くんじゃなく、夜が深くなるまで校舎の隅に隠れていよう。


そうして、たどり着いたのが校舎の裏庭。

非常階段の下にある狭い空間に、するりと身を忍ばせた。