「ねえ〜それより絹君は?まだ来てないの?」
冽くんがきょろきょろと部屋を見渡したときだった。
突然、扉がバン!と開いたかと思えば、ひとりの男の子が転がる勢いで飛び込んできた。
「っはあー……参ったー死ぬかと思った」
雨水を滴らせながら現れたのは
──BLACK KINGDOM
伍ノ席 ACE、伊織 絹くん。
「濡れてる絹クンえろ〜い抱いて〜」
ふざけて抱きつく冽くんを適当にかわしながら、彼はこちらにやって来る。
「よぉ、お姫サマ。元気?」
「はあ、どうも」
ただ返事をしただけなのに、絹くんは「肝据わってんねえ」と目を細めた。
そう言われる理由がよくわからなかったので、再度曖昧に頷いておく。
「肝据わってんじゃなくて、モブ子先輩は馴れ馴れしいだけですよー」
開吏くんが余計な口を挟んでくるけれど、我慢我慢。



