「だめってなにが」 「お、いてかないでほしい、です」 「俺がいつお前を置いていこーとしたよ」 「……今だよ」 「今?」 「そうされるかなって、おもっ……」 途切れてしまった ──のは いきなり目の前に影が落ちて、びっくりしたから。 噛み付くようにして言葉を阻んだのは、秋くんの唇だった。