すべて秋くんの支配下


なにが、どうなって……。

しばらくぽかんとしていたのがいけなかった。


流れるように話は進んで、気づいたときには、わたしは、秋くんじゃないその男の子と、付き合うことになっていた。




『ひゅう〜おめでとー!』

『チューは? チューしろチューしろ』

『てか秋、 突っ立ってないでお前も祝えや!』



わいわいがやがや、わいわいがやがや。

お祭りのような騒がしさの中、わたしひとりだけ、背中が冷たくなっていったのを覚えてる。



あの状況で、「間違いです、わたしが好きなのは秋くんです」なんて言い出せる勇気は持ち合わせていなかった。

気持ちを伝えるはずだった秋くんを、一度も見ることができないまま



差し出されたべつの人の手を、とってしまった──────。