ソファーの方をじっと見つめていると


『ごめんなさい。私のために来てくれてありがとうございます。姫乃妃奈と申します。』

と書かれたノートをソファーより高くあげる小さな手


これが今の精一杯なんだろうな


「ほーら、自己紹介して」

そう言って奏は俺らを見る


自己紹介はいいけど、顔見てないのに


分かんのか?


そう思ったけど、口に出すのは辞めた


そして、たまにソファーから見える頭


なんか…小動物…うさぎ、みたいだな


なんて柄にも無いことを思う